はじめに
今年は例年よりも早くスギ花粉の飛散が始まり、いよいよ本格飛散を迎える秒読み段階となりました。花粉症は症状が出てしまってから対策を始めるよりも、事前予防が何よりも肝心です。医師の視点から、自宅でできる花粉症対策をわかりやすくお伝えします。花粉に負けず、少しでも快適にこのシーズンを乗り切っていきましょう!
自宅でおすすめの対策
まずは自分の症状や体調変化に敏感になりましょう。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が少しでも出始めたら、早めの花粉症対策スタートです。アレルギー剤の予防内服は本格飛散の2週間ほど前から始めると効果的ですので、「花粉症が来るかもしれない」と思った時点で準備しておくと安心です。
天気の影響を確認
天気予報やアプリを活用し、気温や風の強さ・風向き、花粉の飛散量を毎日チェックしてください。花粉症対策は“情報戦”ともいえます。特に以下の点に注意すると症状を抑えやすくなります。 – スギの多い地域と自宅(または職場)の位置関係 – 強風の日や風向き – 花粉飛散量の多い時間帯
また、季節の変わり目には黄砂も一緒に飛んでくることがあり、花粉とのダブルパンチで症状が悪化しやすいので注意が必要です。
マスクや防護メガネの効果
マスクや防護メガネはやはり効果的です。最近ではさまざまな種類のマスクが市販されており、花粉対策向けの商品も多く出ています。顔の大きさや形に合わせてフィット感のあるものを選び、隙間から花粉が入り込まないようにしましょう。メガネは花粉症対策用のものやゴーグルタイプを選ぶと、目のかゆみが軽減されるはずです。
服の繊維によっても…
ウールなどは花粉が付着しやすい素材です。一方、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、表面が比較的滑らかで花粉が付きにくく落としやすい特徴があります。普段着やコートを選ぶ際に、こうした素材を意識してみてください。
自宅に帰ったらすぐにやること
外から帰宅したら、なるべく家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。 – 玄関先でコートや帽子を脱いで払い落とす – できるだけすぐ入浴またはシャワーを浴び、髪の毛や皮膚についた花粉を洗い流す
ちょっとしたひと手間で症状が大きく変わることもあります。「あ、花粉がついているかも?」と意識するだけでも随分違いますよ。
疲れや睡眠不足、アルコールの取過ぎに注意
疲れや睡眠不足は、花粉症などのアレルギー症状を悪化させる大きな要因のひとつです。睡眠が不足すると、体の免疫バランスが乱れやすくなり、鼻や目のかゆみが出やすくなったり、鼻水の量が増えたりするケースがあります。さらに、疲れが重なると体力も落ちてしまい、花粉症の症状に対する抵抗力が下がってしまいます。
忙しい日々が続くと、つい睡眠時間を削ってしまうこともありますが、花粉症シーズンには意識して早めに就寝し、十分な休息をとるようにしましょう。しっかりと休むことで体調を整え、アレルギー反応を最小限に抑えることができますよ。適度な運動と合わせて、生活リズムを整えることも効果的です。
「眠いけど、もう少し頑張ろう…」と思ってしまう気持ちもわかりますが、睡眠をしっかりとることは“最高の薬”と言っても過言ではありません。ぜひ意識して、日々の疲れをリセットする時間をつくってみてくださいね。
耳鼻咽喉科を早めに受診
花粉症状が強くなると、鼻炎で集中力が落ちたり、夜も鼻づまりで熟睡できず疲れがたまりやすくなります。自己判断だけで市販薬を続けるよりも、早めに耳鼻咽喉科を受診して自分に合った薬を処方してもらうのがおすすめです。 – 服薬回数は1日1回か、2回のほうが合っているか – 眠気の少ない薬がいいか – 即効性を重視するか – 点鼻薬は液状かパウダータイプか – 皮膚に貼るタイプのアレルギー薬を使ってみたいか
など、医師に相談すれば自分のライフスタイルや好みに合わせて選択でき、症状をしっかり抑えられます。
皆さんが快適に春を迎えられるよう、早め早めの対策を心がけてくださいね!