子どもの耳掃除はどうすればいいの?

子どもの耳掃除はどうすればいいの?

小さなお子様の親御さんから、子どもの耳掃除はどうすればいいですか?という質問を受けます。

私の父も耳鼻咽喉医(当院の先代)でしたので、しょっちゅう耳掃除をやりたがり、小さい頃は、週末になるとちょっとおいでと呼ばれて、父の膝にちょこんと頭を乗せ、父の手巻きの綿棒で耳掃除してもらっておりました。
耳垢をとるというよりも、柔らかい綿棒でちょこちょこと痛くなくやってくれるので子供ながらに耳掻きって気持ちいい〜と思い、ちょっとしたリラックスタイムでした。



お風呂上がりに綿棒が1cm入る程度で十分



しかし、一般のご家庭での小さなお子さんの耳掃除は、耳の穴が小さい上に突然動いたりするため、大変難しいと思います。

基本的に耳には自浄作用と言って耳垢を外へと運び出す機能があるので、本来は、週に一回くらい入り口にある耳垢だけ柔らかい綿棒で軽く拭き取る程度で十分です。

金属製や竹製の耳掻きは危険なのでやめましょう。

綿棒の綿がまき終わる部分を指で持ってやればそれ以上奥に入らないので安全です。大体1センチくらい綿棒が入れば十分です。

タイミングとしては、お風呂の蒸気でふやけて耳垢が柔らかくなりやすい、お風呂上がりがベストです。



耳は痛みが出やすく傷つける危険も…

耳の神経はとても繊細で、少し強く触れるだけでも痛みを感じます。

一度でも痛い思いをしたお子さんは、耳かきに恐怖感を覚え、やらせてくれなくなります。

耳垢もサイズや性質によっては取りづらく、ご家庭では限界がありますので、見えているけど取りにくそうな耳垢などは、耳を傷つける可能性もあり危険ですので、耳垢なんかで受診していいのだろうか?などと思わず、遠慮なく耳鼻咽喉科を受診してください。



親子のコミュニケーションとしての耳掃除



日頃から耳掃除に慣れているお子さんは、もともと恐怖感があまりないので、耳鼻咽喉科で奥の方の耳垢をとる時にもおとなしく大変協力的です。

親子のコミュニケーションの一つとして、耳掃除をしながらお互いリラックスタイムを過ごすことで絆が深まったり、耳掃除というスキンシップを通して、普段気が付かないお子さんの小さな変化に気がつくなど新たな発見もあるかもしれません。