耳鼻科の冬の風物詩―鼻出血

なぜ、鼻血は冬に出やすいのか?

耳鼻科の冬の風物詩といえば。。。そう、鼻血です。

空気が乾燥し粘膜が切れやすく、また、風邪で鼻炎症状が悪化しやすい冬は圧倒的に鼻血の患者さんが増えます。


鼻血の原因は?

一口に鼻血と言っても、原因は色々ありますが、

一番多いのは…

  • 強く左右にゆするように鼻をかむ
  • 鼻をいじる

などの物理的刺激が加わった場合や、鼻炎によって鼻の粘膜がただれる場合です。


お子様は要注意!!


小さなお子様は、普段の鼻炎のコントロールが悪いと、粘性の鼻水が鼻の入り口で「かたまり」になります。

鼻の入り口に「かたまり」があれば…

当然、鼻が詰まって気になるため、

  • ついつい鼻を強くほじる
  • 鼻を擦る仕草

を無意識にしてしまうことが多くなります。


鼻血の悪循環も…


一度鼻の粘膜が切れると、かさぶたができて一度は血が止まりますが、そのかさぶたがまた気になりさらに鼻をいじってしまうと、かさぶたがぼろっととれて再び出血するという悪循環に陥ります。

また、血圧が上がりやすい中高年の場合には、脳出血などと同じように、室内外の気温差が生じ血管が収縮しやすい冬場には、一過性の血圧上昇が急激に起こり、鼻腔内の血管が切れて出血しやすくなります。

鼻血が出てしまった時の対処は?

鼻血が出た時には、誰でもびっくりしますがまずは落ち着いて座り、軽く俯いて血液を飲み込まないような姿勢を取ります。

洗面器やタオルなどで滴ってくる血液を受けながら、余裕があれば、綿やティッシュなどを鼻に入れて、親指と人差し指で小鼻を10分以上しっかりと摘めば、鼻の入り口付近からの出血は止まることが多いです。


途中で止まったかな〜?と圧迫をゆるめたり、詰め物を取ったりすると止まりにくいことが多いので、まずは10分待ちます。

切れている血管が勢いの強い動脈の場合や鼻の奥の方から出ている場合には、この方法だけでは止まらないこともありますので、出血がひどい場合には救急車を要請する必要もあります。

ひどい鼻血の場合は病院へ。

通常は、飲み薬や点鼻薬などで鼻炎の治療をしながら、鼻の入り口に軟膏を塗ったり、ネブライザー療法をしたりして、鼻粘膜を正常化させていけばだんだんと鼻血は止まってきます。

出血点が同定された場合には粘膜を焼いたり、止まりづらい場合には、ガーゼのタンポンなどを数日間詰めておかなければならないこともあります。

鼻血を予防しましょう。

鼻血を予防する上でとても大切なことは、鼻血がひどくなるような状態、つまり…

  • 鼻炎やそのための鼻いじり
  • 高血圧

などを日頃から悪化させないようにすることです。


そしてもしも鼻血が出てしまったら、まずは慌てずに血液を飲み込まないような姿勢をとりましょう。



これから段々と寒さと乾燥が厳しくなっていきますので、ひどい鼻血に悩まされないように気をつけていきましょう!